2019年5月4日土曜日

こゝろパート4

パート1 
http://shijinrui.blogspot.com/2019/04/blog-post_28.html 

パート2 
http://shijinrui.blogspot.com/2019/04/blog-post_30.html 

パート3 
http://shijinrui.blogspot.com/2019/05/blog-post_2.html 


コチラのつづきです~ 




* 



2007年11月30日の恩師Mさんのブログより 
【こゝろパート4~危険な予感・・?~】 



滝弥がオクサマの家に入って 

5分が経過...。 

寒い。もう季節は11月下旬。 
ちょうど、今頃だった。 

10分が経過..。 

風がビューと吹いた。 
寒い。 

15分が経過..。 

一枚の落ち葉が、僕の足元に落ちた。 
寒い。 

その時。 
「ガチャ」 

ドアが開いた。 

「どうも、ありがとうございました。」 

滝弥が出てきた。 

「ちょっと待ち!」 

オクサマは、気だるそうに言った。 

そして、袋に入ったミカンを滝弥に渡した。 

「寒いから、これ食べて風邪ひかんように。ごくろうさま。」 

そう言うと、オクサマはドアを閉めた。 

「ありがとうございます!」 
ドア越に、甲高い滝弥の声が響いた。 

滝弥は、袋いっぱいのミカンを抱えて 
小走りで僕に近寄ってきた。 

「やりました!やりましたよ~」 
僕らは、肩を叩き合って喜んだ。 

なんと、滝弥はデビュー初日。 
最初の一軒目でゲット!したのだ。 

中学生。15歳。 
恐ろしい。 

彼の身長は、現在も中学生の時も変わらない。 
推定150センチ?? 
大人なのか子供なのかわからない、中学生が 
大人が出来ない仕事をしている。 
なんて素質だ。 
なんてステキだ。 
当時、そう思った。 

その後も、快進撃が始まった。 
僕も参戦して 
なんとこの日、二人で36個もの警報機を売った。 
キセキだ。 
報酬にすると、84,600円也! 
時間にして、5時間の出来事だった! 

僕らは、オクサマにもらったミカンを頬張りながら 
ブクブクと嗚咽の止まらない人が待つ車へと戻った。 

僕は、車の扉を思いっきり開けてこう言った! 

「おい!お前ら今日はご馳走だぞ!」 

その時、滝弥の手から... 
ミカンがこぼれ落ちた....。 

つづく。 



※この出来事はフィクションではございません。 
 全て真実にて構成されております。