2019年4月28日日曜日

こゝろパート1

以前のブログに掲載して 
好評で「もう一度読みたい!」とリクエストの多かった 
オイラのデビュー時の恩師Mさんの文章が 
このたび発掘されましたので 
このGW中に全5回に分けて 
お届けしたいとおもいます 

連休中は家でノンビリしてるカウチポテト派(超絶死語!)なあなたも 
旅先でチェックしてくれているチミも 
とにかく反逆のポエトリーアイドルLOVEな貴様も 
33年前の滝弥少年の”らいくあろーりんぐすとーん”っぷりを 
どうか笑って見届けてやってください~ 




* 



2007年11月24日の恩師Mさんのブログより 
【こゝろ~貧乏はエライの巻~パート1】 



先日、昔の俳優仲間が披露宴を行った。 

披露宴といっても、ライブ形式で行われた。 
タイトルは、結婚披露特別ライブ「ケッコン(仮)面」 

詩と講談のライブだ。 
彼は、現在詩人で東京を中心にライブをしている。 
昔、NHKで放送されていた「詩のボクシング」なんかも出ていた。 
奥さんは、講談師の神田京子さん。 
とても好感のもてる人です。 

ライブは、詩と講談を交え 
二人の披露宴?と結婚の報告。 
相変わらずわけのわからない事を考えるヤツ。 
知らせをもらった時は、 
「またか・・」とつぶやいてしまった。 

彼の名前は、桑原滝弥。(くわはら たきや) 

遠い昔、僕が俳優をしていた頃、劇団で彼と芝居をしていた。 
当時、彼は15歳。僕はちなみに19歳だった。 
芝居をしたと言っても、毎日貧乏生活。 
劇団の仲間4名で一緒に住み、 
毎日食事は、パン屋でおねだりしたパンのミミと、 
八百屋さんが捨てたキャベツの皮が主食でした。 

一緒に、住んでた一人は、栄養失調から 
食事が受け付けず、食べては吐く。食べては吐く。と 
かなりやばい状態。 

もう一人は、なぜか?ぶくぶく太ってしまいました。 
ものすごくブクブクと。 

今、考えると、怖いです・・この生活。 

なんとかしなきゃと思い。 

僕は、得意の思い付きで、会社を興しました。 


会社は、各家庭を訪問して、 
東○ガスのガス漏れ警報機をつけて頂く営業です。 
決して、怪しい仕事ではなく。 
月々、180円でお客様にリースにて警報機をお貸しして 
使用料は、毎月ガス料金と一緒に支払うのです。 

我々は、この当時画期的?なビジネスをはじめたのです。 

仕事は、毎日特に団地を中心に一軒一軒営業をして 
契約したお客様のお宅へ警報機を取り付ければ業務完了! 

これで、報酬は、今だから言えますが 
なんと!一軒2,350円も貰えたのです。 

一人、一日10件成立して、23,500円。 
4名で、40件成立すればなんと!94,000円。 
月、25日働いて、なんとなんと2,350,000円☆ 
仕入れのリスクもないので、 
こりゃ凄い商売! 
貧乏脱出!! 

・・と思っていたのもつかの間。 

4名中、2名がまったく売れません。 

栄養失調中のひとりは、声が出ず。完敗。 

なぜか太ったひとりは、各家庭の奥様から不審者扱い。 
東○ガスまでクレームが・・・。 
そりゃそうです。 
ブクブクの身体と、お金がないので美容院もいけないので 
髪は、ボサボサ。 

予定外の出来事だ。 

こうなったら、滝弥と二人でやるしかない。 
僕は、決めたのでした。 

みなさん。なんかおかしいと思いませんか? 

滝弥は、当時15才なのです。 
15才と言えば、中学三年生。 

中学生なのに、同居&仕事? 

そう。僕は、彼に言い聞かせたのです。 

「いいか、滝弥。明日から学校へ行かなくて良い」 

「えっ?僕、行かなくていいんですか?」 

「いいんだよ。学校の勉強より。人生の勉強が一番だ」 

「あっはい。よくわかりませんが。とにかくわかりました」 

「ニヤ」 

そして、僕と滝弥の東○ガス  
ガス漏れ警報機貧乏脱出大作戦が始まりました。 

15才・中学三年生。 
滝弥の人生初仕事。 
団地の奥様に立ち向かえるか..。 

いよいよ勝負が、始まりました。 

つづく。 



※この出来事はフィクションではございません。 
 全て真実にて構成されております。