以前のブログに掲載して
好評で「もう一度読みたい!」とリクエストの多かった
オイラのデビュー時の恩師Mさんの文章が
このたび発掘されましたので
このGW中に全5回に分けて
お届けしたいとおもいます
連休中は家でノンビリしてるカウチポテト派(超絶死語!)なあなたも
旅先でチェックしてくれているチミも
とにかく反逆のポエトリーアイドルLOVEな貴様も
33年前の滝弥少年の”らいくあろーりんぐすとーん”っぷりを
どうか笑って見届けてやってください~
*
2007年11月24日の恩師Mさんのブログより
【こゝろ~貧乏はエライの巻~パート1】
先日、昔の俳優仲間が披露宴を行った。
披露宴といっても、ライブ形式で行われた。
タイトルは、結婚披露特別ライブ「ケッコン(仮)面」
詩と講談のライブだ。
彼は、現在詩人で東京を中心にライブをしている。
昔、NHKで放送されていた「詩のボクシング」なんかも出ていた。
奥さんは、講談師の神田京子さん。
とても好感のもてる人です。
ライブは、詩と講談を交え
二人の披露宴?と結婚の報告。
相変わらずわけのわからない事を考えるヤツ。
知らせをもらった時は、
「またか・・」とつぶやいてしまった。
彼の名前は、桑原滝弥。(くわはら たきや)
遠い昔、僕が俳優をしていた頃、劇団で彼と芝居をしていた。
当時、彼は15歳。僕はちなみに19歳だった。
芝居をしたと言っても、毎日貧乏生活。
劇団の仲間4名で一緒に住み、
毎日食事は、パン屋でおねだりしたパンのミミと、
八百屋さんが捨てたキャベツの皮が主食でした。
一緒に、住んでた一人は、栄養失調から
食事が受け付けず、食べては吐く。食べては吐く。と
かなりやばい状態。
もう一人は、なぜか?ぶくぶく太ってしまいました。
ものすごくブクブクと。
今、考えると、怖いです・・この生活。
なんとかしなきゃと思い。
僕は、得意の思い付きで、会社を興しました。
会社は、各家庭を訪問して、
東○ガスのガス漏れ警報機をつけて頂く営業です。
決して、怪しい仕事ではなく。
月々、180円でお客様にリースにて警報機をお貸しして
使用料は、毎月ガス料金と一緒に支払うのです。
我々は、この当時画期的?なビジネスをはじめたのです。
仕事は、毎日特に団地を中心に一軒一軒営業をして
契約したお客様のお宅へ警報機を取り付ければ業務完了!
これで、報酬は、今だから言えますが
なんと!一軒2,350円も貰えたのです。
一人、一日10件成立して、23,500円。
4名で、40件成立すればなんと!94,000円。
月、25日働いて、なんとなんと2,350,000円☆
仕入れのリスクもないので、
こりゃ凄い商売!
貧乏脱出!!
・・と思っていたのもつかの間。
4名中、2名がまったく売れません。
栄養失調中のひとりは、声が出ず。完敗。
なぜか太ったひとりは、各家庭の奥様から不審者扱い。
東○ガスまでクレームが・・・。
そりゃそうです。
ブクブクの身体と、お金がないので美容院もいけないので
髪は、ボサボサ。
予定外の出来事だ。
こうなったら、滝弥と二人でやるしかない。
僕は、決めたのでした。
みなさん。なんかおかしいと思いませんか?
滝弥は、当時15才なのです。
15才と言えば、中学三年生。
中学生なのに、同居&仕事?
そう。僕は、彼に言い聞かせたのです。
「いいか、滝弥。明日から学校へ行かなくて良い」
「えっ?僕、行かなくていいんですか?」
「いいんだよ。学校の勉強より。人生の勉強が一番だ」
「あっはい。よくわかりませんが。とにかくわかりました」
「ニヤ」
そして、僕と滝弥の東○ガス
ガス漏れ警報機貧乏脱出大作戦が始まりました。
15才・中学三年生。
滝弥の人生初仕事。
団地の奥様に立ち向かえるか..。
いよいよ勝負が、始まりました。
つづく。
※この出来事はフィクションではございません。
全て真実にて構成されております。