2020年10月30日金曜日

やまぐちイクメンミーテンング

先日 
山口に来て初となる 
関係者限定の夫婦ライヴを 
開催させていただきました 



五十代の息子さんから 
八十代のご両親への 
プレゼントという主旨で 
企画された今回のライヴ 

目の前の会場のお客様とは別に 
ライヴ配信で二カ所 
異なる場所で観てくれているお客様にも 
楽しんでもらおうという 
これまでに経験したことのない試みで 
お届けいたしました 



うちらのライヴを通して 
離れて暮らされているご家族が 
繋がっていくようで 

コロナでなかなか 
遠くの家族と会えないのは 
オイラたち夫婦も一緒ですから 

こういう役目をまかせてもらえて 
とても光栄に 
有り難くおもいました 

ほんとうにありがとうございます 



そんなライヴを終えて 
いろいろあるけど 
やっぱり家族っていいよなあ 

と、あらためて 
感じ入っている次第なのですが 
なんと明後日にも 
家族に関連するイベントへ 
出演させていただくのでした! 

つづくときはつづくのね 
素敵な連鎖… 



こちらはまた 
主旨がガラリと変わるのですが 
なんだか興味深いイベントです 

テーマは 
”イクメン” 

とうことで 
オイラはなんと 
山口のイクメンを代表して 
絵本の朗読パフォーマンスをいたします 

さてさて 
どうなりますことやら 
よかったらあそびに来てね~ 




* 



『やまぐちイクメンミーティング』 


11月1日(日) 
会場:山口県児童センター 
https://centaro24.jimdo.com/%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9/
※玄関・大・小各ホールにて開催 

《玄関ホール》 
10:00~12:00 妊婦ジャケット体験コーナー 
14:10~14:40 絵本の読み聞かせ in 玄関ホール① 
15:10~15:40 絵本の読み聞かせ in 玄関ホール② 
 ◇イクメンパパ・桑原滝弥(詩人)による絵本の読み聞かせ 
 ※定員:各回親子15組/13:00~整理券配布 

《大ホール》 
11:00~11:45 おとうさんもおいでよ!ぴょんぴょん広場 
 ※定員:こども20人/9:00~整理券配布 
14:00~14:40 イクメン応援表彰・子育てサークル表彰 

《小ホール》 
15:00~15:50 どこでもトーク 
 ◇山口県知事とイクメンパパとの座談会 


主催:山口県子育て連盟、山口県、山口県児童センター 




* 



(桑原滝弥・今後の予定) 

11/14(土)16:00~ 
講座「詩の扉を開く」 
山口・カルチャーどうもん 
https://c-doumon.com/%E8%A9%A9%E3%81%AE%E6%89%89%E3%82%92%E9%96%8B%E3%81%8F/ 
※受講生随時受付中。 

11/21(土)17:00~ 
イベント「蓬莱座オープンマイク5」 
山口・旧蓬莱閣 
http://shijinrui.blogspot.com/2020/07/blog-post.html 
※詳細近日発表。 

11/22(日),23(月祝) 
山口市内野外イベント出演予定 
※詳細近日発表。 

11/25(水)発売 
雑誌「シェルスクリプトマガジンVol.69」 
発行・USP研究所 
https://www.usp-lab.com/pub.magazine.html 
※詳細近日発表。 

11/28(土)16:00~ 
講座「詩の扉を開く」 
山口・カルチャーどうもん 
https://c-doumon.com/%E8%A9%A9%E3%81%AE%E6%89%89%E3%82%92%E9%96%8B%E3%81%8F/ 
※受講生随時受付中。 

◇発売中 
電子詩画集「国際化と標準化」 
USP研究所 / Kindle版 
https://www.amazon.co.jp/dp/B08GKLMPLT/ 



【執筆・公演・その他、詩に関する依頼先】 
TEL:090-8545-2708 
takiyakuwahara@yahoo.co.jp 
詩人類

2020年10月25日日曜日

オープンマイカー

東京で「tamatogi」 
名古屋で「名古屋ポエトリーリーディング大百科」 
札幌で「俊読オープンマイク」••• 

そして今年の7月からは 
新たに山口で「蓬莱座オープンマイク」と 

これまで十年以上に渡り 
全国各地でいろんな形で 
オープンマイク(観客自由参加型)のイベントを 
開いてきました 

つまり自分は常に 
ドキドキしたり 
ワクワクしたりしながら 
オープンマイクへ参加してくれる人を 
お迎えしてきた訳です 



でもあんまりにも長く 
こんなことをつづけていると 
主催者顔が張り付きすぎちゃって 
参加者との間におかしなズレが生じていないか 
心配になってきます 

そんな時はどうするか? 
答えは簡単です 

他所のオープンマイクへ行って 
一参加者(オープンマイカー)になって 
ドキドキワクワクしてきます 



という訳で 
先週の火曜日(10/20)に 
山口に移住してから初めて 
オープンマイクに参加してきました 

場所は湯田温泉にある 
五十年以上つづく老舗中の老舗 
「JAZZ SPOT ポルシェ」 

イベントは 
中原中也記念館の中原豊館長が主催されている 
「やまぐち朗読cafe」 



まず会場のポルシェが 
その歴史の深さから考えれば当然なのですが 
雰囲気のありまくる空間で 
もうそれだけで心が満たされました 

イベント第一部は 
サブタイトルに 
”朗読と蓄音機ジャズの夕べ”と謳っているとおり 
中原館長チョイスのSP盤を 
蓄音器で聴くコーナー 

これがまたすごく趣があって 
よい時間でした 

蓄音器っていい音だなあ 
戦前のジャズって不思議で自由だなあ 
館長の静かなMCが味があって落ち着くなあ 

なんてことを感じているうちに 
あっという間に休憩へ 



つづく第二部は 
いよいよ朗読タイム 

詩、小説、エッセイなど 
さまざまスタイルの朗読が聴けましたが 
参加者のお一人お一人が 
なんていうかしっかりと 
独自のトーンを持って 
詠まれているなあと 
感心しました 

これはやっぱり 
館長のMC 
ポルシェの場力 
前半の蓄音器の音色 
そしてここまでの 
二十数回開催されてきたイベントの年輪が 

それぞれの声に溶けいって 
生まれた響きの結晶なのかも 
なんて勝手に想像したりしました 



オイラは 
モンゴルの国民的詩人 
ダシドルジーン・ナツァグドルジさんの 
「我が故郷」と 

オリジナルの 
「生き際について」を 

詠まさせてもらいました 
そりゃもう緊張したさ 笑 

イベントの主催者や 
ゲスト出演者の時は 
緊張とは別の次元でステージに立っているので 
久々に味わう恐い快感でした 

ちょっと若返った気分ですし 
この朗読cafeでいただいた 
さまざまな感覚を 
これから自分のつくる舞台で 
何かしらの形で活かしていくつもりので 
どうかご期待ください! 



とにかく 
とっても心地の好い 
平日の夜のイベントでした 

現在コロナ対策のため 
人数制限を設けて 
完全予約制で開催されておりますので 

興味のある人は 
下記のFacebookページから 
お申し込みください 

「やまぐち 朗読Cafe」 
https://www.facebook.com/profile.php?id=100021729169319 

ちなみにオイラは 
Facebookをやっていないので 
フライヤーに書いてあったお店の電話番号へ 
直接予約を申し込みましたが 
それでも大丈夫みたいです 

お店のHPのリンクも貼っておきますね~ 

「JAZZ SPOT ポルシェ」 
http://www.tim.hi-ho.ne.jp/music/ 





* 



(桑原滝弥・今後の予定) 

11/1(日) 
山口市内イベント出演予定 
※詳細近日発表。 

11/14(土)16:00~ 
講座「詩の扉を開く」 
山口・カルチャーどうもん 
https://c-doumon.com/%E8%A9%A9%E3%81%AE%E6%89%89%E3%82%92%E9%96%8B%E3%81%8F/ 
※受講生随時受付中。 

11/21(土)17:00~ 
イベント「蓬莱座オープンマイク5」 
山口・旧蓬莱閣 
http://shijinrui.blogspot.com/2020/07/blog-post.html 
※詳細近日発表。 

11/22(日),23(月祝) 
山口市内野外イベント出演予定 
※詳細近日発表。 

11/25(水)発売 
雑誌「シェルスクリプトマガジンVol.69」 
発行・USP研究所 
https://www.usp-lab.com/pub.magazine.html 
※詳細近日発表。 

11/28(土)16:00~ 
講座「詩の扉を開く」 
山口・カルチャーどうもん 
https://c-doumon.com/%E8%A9%A9%E3%81%AE%E6%89%89%E3%82%92%E9%96%8B%E3%81%8F/ 
※受講生随時受付中。 

◇発売中 
電子詩画集「国際化と標準化」 
USP研究所 / Kindle版 
https://www.amazon.co.jp/dp/B08GKLMPLT/ 


【執筆・公演・その他、詩に関する依頼先】 
TEL:090-8545-2708 
takiyakuwahara@yahoo.co.jp 
詩人類 




追伸: 
昨日より 
講座「詩の扉を開く」が 
正式に開講となりました 

講師という立場ですが 
受講してくださるみなさんと一緒に 
まだ誰ものぞいたことのない 
詩の扉を開いてみたいとおもっています 

ここでしか出会えない詩が 
待っていてくれると 
信じています 

とりあえず 
受講生にも 
自分自身にも 
宿題を出したので 
次回の講座で発表し合うのが 
今から楽しみです☆ 


興味のある人は 
いつでもご参加くださいね~

2020年10月19日月曜日

ライヴ詩人より、あなたへ、

今日はまず 
東京のみなさんへの 
メッセージを書かせてください 

七月の日記で 
年内に東京で何かしらの 
イベントができたらと書きました 
http://shijinrui.blogspot.com/2020/07/blog-post_8.html 

あれからいろんな人や場所と 
ライヴができないかと相談をしてきました 
いくつもの意見や状況分析も聞かせてもらいました 



その上で 
今年は東京でのイベントは行わないことを 
このたび決断しました 

楽しみにおもっていてくれたみなさん 
「tamatogi」を待ちわびてくれていた 
あなたよ 

ごめんなさい 



オイラもとても寂しいですが 
よりよいライヴを生み出すための 
前向きな”タメ”と捉え 
ここから新たな準備をしていく所存です 

来年上半期中には 
どんな形になるのか 
まだはっきりとはわかりませんが 
愛する江戸のステージに帰ってまいりますので 
何卒よろしくお願いいたします 



そして 
全国各地のみなさん 

この東京でのイベントを皮切りに 
順次各地でのステージに立つつもりですので 
近い将来の再会&はじめましてを 
どうか楽しみにしていてください 

海外のみなさんも 
さらにすこし先になりそうですが 
いろんなところへ 
また行きたいとおもっておりますので 
待っていてくださいね 



それまでは 
山口でしっかりと 
血の通ったステージを積み重ねていきます 

冒頭の七月の日記で書いていた 
出演予定の劇団ジャンク派の公演は 
来年の春に開催延期となりましたが 

それ以外にも 
いくつか出演予定のイベントがあります 
追々発表してまいりますので 
どうかご期待ください 



もちろん 
七月からスタートした 
毎月第三土曜日開催のイベント 
「蓬莱座オープンマイク」も 
どんどんやっていきますからね 

先日開催した第四回目より 
県外のお客様のご来場もフリーとなりましたので 
体調に問題のない人は 
ぜひ新たな文化のはじまり 
祭の起へ 

ご参加ください 




* 



そんな訳で 
前置きが長くなりましたが 
ここからは先週土曜日に開催した 
「蓬莱座オープンマイク4」の模様を 
ちょっぴりレポートさせていただきます~ 



まず前半は 
恒例のいろんな表現を楽しく体験する 
ワークショップのコーナー 

今回は 
名古屋のオープンマイクイベント 
「詩のあるからだ」(現在開催休止中)で 
オイラ発案で実に十年以上実施されていた 
”読みくらべスラム”をやってみました 

これは 
ひとつの詩を 
さまざまな人が独自の解釈で詠んで 
その違いの妙を味わってみよう 
というもの 



この夜は 
蓬莱座小屋主で 
詩人のチェン・スウリーさんの 
詩「甘い夜」を 
観覧のみの予定だったお客さんも含め 
十人以上で読みくらべてみました 

やってみると 
これがほんとうに 
面白いぐらい異なっていて 

こんなにも 
人の詩や言葉の受け止め方は多様なのかと 
なんだか心がワクワクしました 

まるで 
ひとつの詩から 
無限の詩が生まれていくようで 

いや 
実際に 
そうなのでしょう 



最後は 
作者であるチェンさん自身の 
朗読で閉めてもらいました 

四十代半ばとなったチェンさんが 
十八歳の時に書いた己の詩を 
ただ真っすぐに詠む様は 
なんとも言えない趣がありました 



そしてこの読みくらべは 
”スラム”と謳っておりますので 
勝者を決めなくてはなりません 

作者のチェンさんに選んでもらった 
栄えある蓬莱座での初スラム優勝者は 
詩を音楽に落とし込んで輝かせてくれた 
初参加の男女の音楽デュオ 
”G.P.S” 

おめでとうございます☆ 
パチパチ 

でもあくまで優勝はゲームの一環ですので 
他の参加してくれた人ももちろん 
みんな勝者です 
ビバビバ 

この企画はまたやってみたいなあと 
おもっておりますので 
そんな機会に遭遇した折には 
ぜひドキドキワクワクしながら 
参加してみてくださいね 



でもって 
休憩挟んでの後半は 
いよいよ本編となる 
オープンマイクタイム! 

今回は以下の6組の方が 
エントリーしてくださいました 

Kenta 
G.P.S 
燈中碧空 
植高公明 
安田ありさ 
ちはやはやぱや 
※敬称略/抽選による登場順 



トップのkentaさんは 
これまで既存の作家の 
随筆などを朗読してくれていましたが 
今回は先日誕生日だったうちの息子に 
プレゼントとしてくださった絵を置いて 
オイラの詩「tele-」を朗読 
さらにその詩からインスパイアされて書かれた 
自作詩「pala-」を披露してくださいました 

二番手、初参加のG.P.Sのお二人は 
普段ライヴなどでやられている楽曲を 
演奏してくださいました 
ヴォーカルのペコさんの伸びのある歌声と 
そこに寄り添うように響くゴッポさんのギターが 
空間を満たしてくれました 

三番手は燈中碧空さん 
前回の即興演劇ワークショップでは 
オイラとタッグを組んでくれた碧空くん 
今回は純粋な参加者として 
安部公房さんの短編小説の朗読 
詩や歌詞とはまた異なる 
言葉の持つ魔力のようなものを 
その淡々とした語り口から 
解き放ってくれました 

四番手の植高公明さんは 
前回は歌人名の”思田高ばここ”として 
参加してくださった方 
今回は山口の文学イベントの情報を纏めた 
冊子を編集されている関係から 
山口や近隣の文学イベントの 
貴重な情報を紹介してくださいました 

五番手は安田ありささん 
動画「蓬莱座オープンマイクへの道3」では 
https://youtu.be/Ov1oI0c0km8 
オイラのリクエストに応えて 
ダンスを披露してくださっている 
山口では有名なダンスの先生です 
このオープンマイクには第一回目から欠かさず 
観客として参加してくださっていたのですが 
なんと今回専門の身体表現ではなく 
言葉のパフォーマンスに挑戦してみたいということで 
歌舞伎十八番より「外郎売り」の口上を 
ご披露してくださいました 

ラストはちはやはやぱや 
今回からこのイベントの正式MCとなった彼女は 
絵を使ったパフォーマンス 
お客さんに筆を渡し 
自由に描いてもらいながら展開していく 
はやぱやワールド 
普段子どもと関わる機会も多い 
彼女だからこそできる 
意欲的なアクトでした 



絵、詩、音楽、小説 
情報、口上、観客参加型と 
振り返って見てみると 
実にバラエティに富んだ 
ラインナップとなりました 

また参加者それぞれが 
結構いろんなことに挑戦をしてくれていて 
継続して開催していく 
イベントの意義であったり 
大いなる表現の実験場として 
このオープンマイクが機能し始めていることを 
すごく感じて 

主催者として感無量でした 



最後は 
詩選集「あなたに会いたくて生まれてきた詩」より 

田中大輔さんの 
詩「ママ」と 

選者の詩人・宗左近さんの 
解説文を 

オイラが詠ませてもらって 
この夜の宴は幕 

集ってくださったみなさん 
ほんとうにありがとうございました 



けっしてよいニュースばかりではない 
今年の秋ですが 
この小さな小さな 
蓬莱座のステージは 
実り多き秋となりました 

来月も 
第三土曜日(11/21)に開催しますので 
よかったら互いの 
内なるところから溢れ出た 
新鮮な何かで 
交歓しましょう 

待ってるよ~~~ 




* 



(桑原滝弥・今後の予定) 

10/24(土)16:00~ 
講座「詩の扉を開く」 
山口・カルチャーどうもん 
https://c-doumon.com/%E8%A9%A9%E3%81%AE%E6%89%89%E3%82%92%E9%96%8B%E3%81%8F/ 
※受講生随時受付中。 

11/1(日) 
山口市内イベント出演予定 
※詳細近日発表。 

11/14(土)16:00~ 
講座「詩の扉を開く」 
山口・カルチャーどうもん 
https://c-doumon.com/%E8%A9%A9%E3%81%AE%E6%89%89%E3%82%92%E9%96%8B%E3%81%8F/ 
※受講生随時受付中。 

11/21(土)17:00~ 
イベント「蓬莱座オープンマイク5」 
山口・旧蓬莱閣 
http://shijinrui.blogspot.com/2020/07/blog-post.html 
※詳細近日発表。 

11/22(日),23(月祝) 
山口市内野外イベント出演予定 
※詳細近日発表。 

11/25(水)発売 
雑誌「シェルスクリプトマガジンVol.69」 
発行・USP研究所 
https://www.usp-lab.com/pub.magazine.html 
※詳細近日発表。 

11/28(土)16:00~ 
講座「詩の扉を開く」 
山口・カルチャーどうもん 
https://c-doumon.com/%E8%A9%A9%E3%81%AE%E6%89%89%E3%82%92%E9%96%8B%E3%81%8F/ 
※受講生随時受付中。 

◇発売中 
電子詩画集「国際化と標準化」 
USP研究所 / Kindle版 
https://www.amazon.co.jp/dp/B08GKLMPLT/ 



【執筆・公演・その他、詩に関する依頼先】 
TEL:090-8545-2708 
takiyakuwahara@yahoo.co.jp 
詩人類

2020年10月13日火曜日

故永しほる詩集「あるわたしたち」を読んで

一言で言えば、美しい、詩集でした 

ただ 
その一言が出てくるまでに 
いくつもの言葉と 
刺し違えた 
気がします 



以下、感じたことを書き記します 

一行々々に書かれている言葉は 
どれもとても重たいものなのに 
詩という連なりになったときに 
その重たさが軽やかさに変わり 
心のなかを流れていきました 

詩のなかの”わたし”が 
詩を読んでいる”わたし”と重なって 
そこに”あるわたしたち”が 
現れました 



自分はこれまで 
人より多く 
変わった経験をしてきた方だとおもいます 

ある種の経験至上主義と申しましょうか 
実際に死にかけたことや 
不思議な光景を見たり感じたり 
なかなか行けないいろんな場所で 
いろんなタイプの人や生き物と 
出会い関われてきました 

ま、客観的に見て 
ドラマティックな人生を 
送らせてもらったきた方でしょう 



だけど 
それとは別に 
こういう風にもおもってきました 

経験したからといって 
それですべてがわかった訳ではなく 
むしろ経験していないからこそ 
知り得ることもあるのではないかと 

そして経験したがゆえに 
手放さなくてはならないものが 
あるということも 



この詩集を読んで 
そんなことをあらためて 
おもいだしました 

未経験である強み 
一行目の未知が 
二行目の未知と出会い 
三行目の実感が響いていくような 

そんな詩的な飛躍 
詩の醍醐味に溢れている本だと 
感じました 



しかし 
何度かこの詩集を読み返してみて 
ある疑念が頭に浮かびました 

ちょっと本作に対して 
好意的に捉えすぎていないか? 

もっと平たく言うなら 
えこひいきしてないか? 

と 



作者の故永しほるは 
身体を伴う場所 
つまりは詩のパフォーマンスをするときなどは 
”大江那果”と名乗っています 

その大江くんとは 
面白い縁で出会って 
彼が詩のパフォーマンスデビューをした折には 
自分がそのステージを用意したりしています 

過去日記にも書いていますので 
気になった人はご覧ください 
http://shijinrui.blogspot.com/2019/12/blog-post_11.html 
http://shijinrui.blogspot.com/2019/12/blog-post_13.html 



そんな訳で 
彼は自分にとって 
思い入れのある詩人なのです 

これでは 
えこひいきしていないかどうか 
心配になってきます 

ですので 
勝手にこの詩集の強度のようなものを 
確かめてみることにしました 



方法は簡単です 

声に出して読んでみました 
朗読です 

それも一人ではなくて 
誰かの前で 

できれば 
この詩集の世界観から 
もっとも遠くにあり 
もっとも近しいとおもえる 
存在に向かって 



そこで 
近所にある 
児童センター的な 
子どもが自由に遊べる施設へ行って 
朗読をしてみました 

四才の息子と 
二才の女の子と 
0才の女の子の前で 

はたして 
観念的な言葉も多く並ぶ 
大人でも理解するのにむずかしい部分のある本書が 

やっと言葉を使い出したり 
まだしゃべれない子たちに 
届くのか? 



なるべく 
パフォーマンスの面白さを出さないで 
詩の言葉だけが届くように 
素読みの状態で 
彼らの前で詠んでみました 

すると詠み始めてすぐに 
詩から独特の調子が生まれて 
意味なんかわからないはずの子どもたちが 
不思議そうな顔で 
聴き入ってくれました 

二才の女の子が 
好奇心に満ちた眼差しで 
問いかけてきました 
「これ、なあに?」 

すると四才の息子が小声で 
ささやきました 
「おとなのしだよ」 

なかなかの集中力で 
未知なるものに対して 
何かしらの実感を持ってくれた様子でした 



どうやら自分の心配は 
杞憂に終わったようです 

詩集「あるわたしたち」は 
意味を超えて 
詩の響きとして 
最高のオーディエンスである 
彼らのなかに 

しっかりと流れ 
息づいていきました 

もしかしたら意識上的には 
すぐに忘れられるのかも知れませんが 
忘れてからこそ始まる 
そんなところが詩にはあるのかも 

なんて 
詠み終えてふと 
おもったりしました 



本詩集にご興味を持たれた人は 
いくつかの購入方法がありますので 
ぜひ下記よりお求めください 

詩集『あるわたしたち』 
故永しほる 
https://note.com/shigo_to/n/nef4de94bddab 



おしまいに 
自分にとって印象深かった 
詩の一節をご紹介します 




ビー玉の正しい遊び方が 
結局わからないままだった 
身に覚えのない記憶のなかで 
私は太陽にビー玉をかざして 
その中心にみとれていた 
最後には 
宝石のように扱うのにも飽きて 
集めたビー玉を 
粉々にして遊ぶようになる 

【収録詩[parallel]より】 




* 



(桑原滝弥・今後の予定) 

10/17(土)17:00~ 
イベント「蓬莱座オープンマイク4」 
山口・旧蓬莱閣 
http://shijinrui.blogspot.com/2020/10/blog-post_7.html 

10/24(土)16:00~ 
講座「詩の扉を開く」 
山口・カルチャーどうもん 
https://c-doumon.com/%E8%A9%A9%E3%81%AE%E6%89%89%E3%82%92%E9%96%8B%E3%81%8F/ 
※受講生随時受付中。 

11/14(土)16:00~ 
講座「詩の扉を開く」 
山口・カルチャーどうもん 
https://c-doumon.com/%E8%A9%A9%E3%81%AE%E6%89%89%E3%82%92%E9%96%8B%E3%81%8F/ 
※受講生随時受付中。 

11/21(土)17:00~ 
イベント「蓬莱座オープンマイク5」 
山口・旧蓬莱閣 
http://shijinrui.blogspot.com/2020/07/blog-post.html 
※詳細近日発表。 

11/22(日),23(月祝) 
山口市内野外イベント出演予定 
※詳細近日発表。 

11/25(水)発売 
雑誌「シェルスクリプトマガジンVol.69」 
発行・USP研究所 
https://www.usp-lab.com/pub.magazine.html 
※詳細近日発表。 

11/28(土)16:00~ 
講座「詩の扉を開く」 
山口・カルチャーどうもん 
https://c-doumon.com/%E8%A9%A9%E3%81%AE%E6%89%89%E3%82%92%E9%96%8B%E3%81%8F/ 
※受講生随時受付中。 

◇発売中 
電子詩画集「国際化と標準化」 
USP研究所 / Kindle版 
https://www.amazon.co.jp/dp/B08GKLMPLT/ 


【執筆・公演・その他、詩に関する依頼先】 
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詩人類 




追伸: 
先日の講座「詩の扉を開く」無料体験会へ 
参加してくださった皆さん 
ほんとうにありがとうございました! 

皆さんと一緒に 
詩をつくり響かせ合えたひとときは 
オイラのこれからの財産です 
けっして忘れません 

ご興味のある人は 
随時受講生募集しておりますので 
今後の講座へ 
ぜひご参加くださいね~