詩を発するという
なかなか有り得ない状況を生きた
先週の土曜日
不思議な時空だったなあ
そして至極真っ当な瞬間
岡本太郎さんの芸術は
狂気の親和性なのですね
というか、やさしさって、
狂うってことなんだ、
これまで29年間
いろんな空間・シチュエーションで
パフォーマンスをしてきましたが
こんなにやりやすかったことはないし
こんなにも記憶がないステージも
はじめてでした
先月のクロコダイルでのソロライヴが
自力の限界まで追いつめて開く宇宙なら
この日の岡本太郎との邂逅は
ド頭から他力のまま駆け抜けた宇宙
そのくらい太郎作品には強い愛があった
共演の神田京子の講談も
星野通映さんの津軽三味線も
太郎作品に囲まれながら
見つめてくれたお客さんの呼吸も
これまでと異なっているように感じました
まるでそこに集った一人一人が
太郎さんの唱えた対極主義を体現しているような
対極主義・・・
二つの対極の価値観を否定することなく、それぞれを見極め、これらを主体的に捕らえることによって、相互を妥協折衷することなく、またどちらか一方の価値観に安心立命するのではなく、二つの引き裂かれたからみ合いから生じる不協和音を、積極的に表現していく。
太郎さんの言葉やキャラクターが
近年クローズアップされておりますが
(そこにも神髄は溢れているけど)
できたら彼の作品に改めて触れてほしいです
「川崎市岡本太郎美術館」
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芸術に対して真摯なスタッフさんが
たくさんいらっしゃいました
みんな、市の職員さんたちです
世界中の美しい場所に
これからも自分は呼ばれて行くとおもうのですが
日本も目立たないだけで
相当なエネルギーを発光しているポイントが
たくさんあるということを再認識させてもらいました
そんな場所の
生命が胎動を通って生まれる
オギャー!な赤いエントランスで
津軽三味線を弾いてくれた星野通映さん
本編ステージでのトランスへと導く演奏と併せて
揺るぎないゆらぎの芯を通してくださいました
星野さんとは八月にもある企画で
ご一緒しますのでご期待ください
そしてこの日の
プロデュース・演出を担当して
異空間での高座を攻めの姿勢で務め上げた
講談師・神田京子
自分の妻だからとかは一切関係なく
見事でした
彼女にとってこの高座が
一年間続いた"真打昇進披露"のラスト
この経験を踏まえて
これからどんな講談を聴かせてくれるのか
素直に楽しみです
沢山のご来場を本当にありがとうございました
こんな超絶体験をさせてもらって
この先一体どんな詩が飛び出すのか
武者震いの中から言葉が起こります
これからも何卒
よろしくお願いいたします
*
さて、今月末発行の
関西を中心に配布されるZINE
「PAPERDRIVE」
http://
連載自伝エッセイ「詩人失格」の
第二回目が掲載されます
なんだか衝撃を受けてくれている方が
非常に多いらしいこちらのエッセイ
今号では15~17歳頃のことを
思い出しながら書きました
果たして滝弥少年は
どんな成長を遂げていくのやら
よかったら手に取って
お読みくださいまし
それでは皆様
よい春を∞
付き合ってからわかったのですが、
彼女は文学少女で、ある日、
「これ、滝弥くんにそっくりだから、よかったら読んでみて」
と、一冊の本を渡されました。
それは太宰治の「人間失格」でした。
(「詩人失格 ~第二回・愛を口にするとき~ 」より)