2019年12月6日金曜日

詩の旅日記①(名古屋〜北海道前編)

しばらく一般公開のライヴがありませんので 
以前から予告しておりました通り 
この秋の詩の旅を振り返ってみたいとおもいます 

なんせ濃ゆ~い旅でしたので 
何回かに分けて書いていきますね 
よかったらお付き合いくださいませ~ 




* 



10/20(日) 
【名古屋ポエトリーリーディング大百科2】 

名古屋のポエトリーリーディング(詩の朗読)の歴史を探りながら、新たな歴史もつくっちゃおうという、オイラ&鈴木陽一レモン&江藤莅夏によるシリーズ企画”通称・名ポ百”第二弾。 
だいたい一回目というのは、勢いと真新しさで乗り切れるもので、シリーズイベントの真価が問われるのは往々にして二回目から。そんな訳でどうなることやらと内心ドキドキしておりましたが、蓋を開けてみると、このイベントならではの空気感というか、流れのようなものが早くも生まれはじめてくれて、とてもよいライヴのひとときとなりました。 
ゲストの、名古屋で一番最初に定期的な詩のオープンマイクの場をつくった谷陽子さんと、現在も開催中の詩のオープンマイクイベント「詩のあるからだ」主催の三原千尋さんの二人のトークセッションでは、そのときどきの詩の声の現場のさまざまな心模様が垣間見えて、とても興味深かったです。 
印象駅だったのは、トークラストに今後の抱負のようなものを谷さんに振ったら「特にない」と返されたこと(笑)。詩というものが「特に何も言わない」ことで、どっかの何かの命を救ってしまったりするジャンルである部分と符合しているようで、個人的になんか嬉しかったなあ。 
前回ゲストで、今回からレギュラーとして関わってもらうことになった、ちくさ正文館店長で映像作家、名古屋のアートシーンの生き字引である古田一晴さんによるシリーズトーク「マーズに訊け!」では、80年代の白石かずこさんとレオスミスさんなどによる詩とジャズのライヴが旧open houseで行われた話を入り口に、ビートとジャズから、ロック、ヒッピー、パンクの日米両国(敗戦国と戦勝国の文化の流れの違いなど)の歴史の対比など。 
こういう話ってぜんぶ理解するのは難しいかもしれないけど(オイラもわからない単語がたくさんあった)、わからないなりに聞きつづける良さがあると思う。実際いまの自分をつくっているのは、若い頃にわからないままに貪った、難解と呼ばれる映画や音楽や文学や思想、哲学、宗教のおかげだったりするのです。 
第二部からのオープンマイクでは、若原光彦、チャーリーホッパーという、すでに活躍している詩人が、はっきりとこの時間の輪郭のようなものを浮き彫りにしてくれるなか、電脳ヴードゥーさん、御園まりんさんといった、オイラははじめてお見かけする、めちゃくちゃエッジの効いた面白い詩人と遭遇(オープンマイクならではの出会いの喜び)。すずらんさんという方の真っ直ぐな朗読もひびいたし、千葉から上條美由紀くんも駆けつけてカマしてくれた。そして、前回ゲストの、高校生から大学生になった行方不レ知くんの朗読スタイルがとっても豹変していてうれしビックリ!当たり前だが、みんな生きている、ということを詩の声を通して実感。 
第三部のゲスト&主催者パフォーマンスは、前段のトーク、オープンマイクで生まれたエネルギーを、演者それぞれが己の内部で押し頂きながら、それぞれの詩の声に変換して放出するようなライヴに。 
レモンのこの日だけの呼吸、三原さんのそれでも叫ばずにはいられない何か、オイラは今年三月に来日されて交流を持たせてもらったカナダ・モントリオールの元ボクサーで詩人のジャック・テリオーさんの詩「きちがい列車」(大島健夫さん訳)をただただ無心で、谷陽子おかあさんのささやきの強さ、そして、最後は江藤莅夏による、この日の、この流れだからこそ、この声、息、詩、になったであろう、必然のパフォーマンスで幕! 
この名ポ百2の模様は近日中に最強の記録係でもある江藤さんより、YouTubeにて動画が公開されますので、興味のある方はぜひご覧ください。 
次回”名ポ百3”は3/1(日)夜に名古屋・鶴舞KD japonにて開催します。年明けくらいに詳細発表しますので、楽しみに待っててね~ 



10/24(木) 
【紫朗読会 ~朗読らぼ~】 

名古屋での熱も冷めやらぬまま、やってきました、本年五月の「俊読 2019」以来の札幌! 
今日から「桑原滝弥の俊カフェ4DAYS + むかわ町」という怒濤の5ステージのはじまりはじまり~ 
初日は、俊読のときに美しすぎるスタッフワークでイベントを支えてくださり大変お世話になった、地元札幌に根を下ろして活動されている「紫朗読会」の発足四周年記念イベントにゲスト出演。 
いろいろなスタイルが飛び出して、飽きさせない朗読の豊かさよ。そのすべてを許容している主宰の嬉読屋しおんさんの朗読を愛する真っ直ぐさと、司会進行のカナモノユウキさんのあたたかいおしゃべりが、この会をとても風通しのよいものにしているのだと感じました。 
いや、ホントにちょっしたことで、朗読ってすべてが変わるとおもうのですよ。劇的なこととか、大局的な視点も時には大切だけど、何よりも、実は取るに足らないどうでもいいようなポイントに気づくかどうかが、たかだか書かれている文章を声に出して読めばいいだけの、言ってみれば誰でも形だけならすぐに真似出きるこの行為を芸術足らしめているとオイラは信じているのです。 
そんな自由で刺激的な会故か、ラストの出番まで楽しんで観ているつもりだったオイラに突然指名が!メンバーの祈子さんが世に広めようと推進している「文コラ(文学コラージュの略)」なるものに挑戦することになったのでした。 
文コラとは、異なる二つの文章(主に小説)を、なんの脈絡もないまま交互にセンテンスごとに詠み合っていくスタイル。詠んでいくと、まったく繋がらないはずの言葉と言葉が不思議な呼応をしはじめる。言葉の面白さを理屈抜きに実感できるものなのでした。ぜひぜひ皆さんも一度お試しあれ。 
そんなこともあったせいか、オイラの出番も自由な雰囲気でやらせていただきました。途中デュエット朗読をしようとお客さんのなかでやけに輝いている女性を指名したら、北海道の著名なアナウンサーの五十嵐いおりさんだったりして、しかもノリノリで応えてくださって(YouTubeで”詩人桑原滝弥さんと共演!”というタイトルで公開されてます https://www.youtube.com/watch?v=gpquTwtXiOw )、恐縮と爆笑が入り交じった感動に包んでいただきました。 
とにかく客席の大多数が朗読家というなかでのライヴは、普段とはちがう新鮮な感覚でパフォーマンスができて、とても楽しかったです。紫朗読会の今後の大活躍を祈っております☆ 
さてライヴも終わったしゆっくり休むべ、と通常ならそうなるワケですが、この日はこの後さらにラジオに出演。明日からのイベントのPRを兼ねて、FMさっぽろ村「網タイツだPON!」という番組に、10/26夜のイベントで共演するコントユニット「レンコンズ」の二人とともに出させていただきました。 
それにしても、これまで全国のいろんなラジオ局にオジャマしましたが、ここさっぽろ村のまるで昭和の駄菓子屋ようなアットホームさは特筆もの! 
パーソナリティーの石橋玲さんは、昨年の「俊読オープンマイク」で素晴しいパフォーマンスをしてくださった方でしたので、思わぬ再会に深夜なのにハイテンションに。もうお一人のパーソナリティーのまみさんも、自由な空気のなかでメリハリの効いた進行をしてくださって、楽しく身をゆだねさせていただきました。さらに遅れてやって来られたパーソナリティーのミュージシャンのモノノケユースケさんからは本番中に繊細なタッチのイラストのプレゼントが。なんじゃ、そりゃ?よくわからんけど、とってもうれしい(笑) 
そんなこんなでワイワイ騒いで放送は終了。真夜中にこの日の宿を提供してくれた、やはり10/26に共演する詩人の大江那果くん宅へ。 
ここでとっとと寝りゃあいいのに、再会が嬉しくて結構くっちゃべり、しまいには根多おろしをする作品の稽古を大江くんの前でやり出す始末。数年前の自分なら絶対やらないようなことなんだけど、正式な詩の朗読デビューを二日後に控えている大江くんの前で、なぜだか稽古したくなって、結果何かしらのエネルギーの交歓ができた気がしたのでした。 
もちろん明日からのステージへの不安は一切拭えなくて、より緊張が高まるだけなんだけど、この恐さをパワーに変える、オイラと大江くんにとっての、ある種の儀式のような稽古だったんだなと、いま振り返れば、よくわかります。 
さあ、次の本番へ向けて、いざ睡眠zzz… 



と 
ここまで書いて 
結構長くなっちゃったので 
つづきはまた数日後に 

このあとも 
一筋縄ではいかない日々の連続ですので 
どうかお楽しみに!!! 




* 



そして未来もよろしくねん♪



◎ご予約/前のめりに受付中!!! 

桑原滝弥・東京生活ラストLIVE 
【また、あう詩まで】 

12/24(火)20:00~ 
東京・クロコダイル 


「かるがるしく詩人となのりなさい」 そう叫びつづけてきたわたしの、新たな旅立ちに向けての独り舞台。新旧作織り交ぜながら、ソロでたっぷりと二時間、”詩”つづけます… 
http://shijinrui.blogspot.com/2019/11/blog-post.html