桑原滝弥作
立本夏山ひとり芝居
「ピキピキ夏山のドンバラ大放送♡」へ
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たくさんのご来場をありがとうございました
昼夜公演ともに
会場の一番後ろの片隅で観させてもらいましたが
お客さんそれぞれが
バラバラなポイントで楽しんでくださっていて
そのことでそこに
たったひとつだけの詩が生まれていたことが
作者として何よりも幸せでした
自分が生きてきた時間の
さまざまな際(きわ)の部分から
立ち上がってきた言葉を抽出して
今回長編詩を編んだのですが
それをはっきりと小細工なしに
ストレートな魂にして返してきた
立本夏山は見事でした
あんまり作者があーだこーだ書くと
観劇されたお客さんの余韻を損なうおそれがありますので
立本夏山さんと
演劇批評家の渋革まろんさんの言葉を
ご紹介しておきます
12ヶ月連続ひとり芝居6ヶ月目、桑原滝弥作「ピキピキ夏山のドンバラ大放送♡」無事終わりました。ご来場いただきました皆様ありがとうございました。
今回は12ヶ月の内で唯一の存命の詩人、桑原滝弥さんにこの企画のために書き下ろしてもらった作品です。
桑原さんと出会ったのは8年前です。その時は殺されるんじゃないかと思うくらいの鋭い眼光と、速射砲のような怒濤のトーク、その波乱万丈な人生に圧倒されたのを覚えています。
その後桑原さん主催の詩のオープンマイクのイベントに行って、参加者の皆さんが語る、その人にしかない、その身体だからこそ生まれる"詩"の言葉に出会って大きなカルチャーショックを受けました。その当時は演劇の言葉に懐疑的になっていた時だったのですが、そんな悩みなんかどっかにいってしまって、これでいいんだ、と心が救われました。
桑原さん自身のパフォーマンスも、善悪清濁入り乱れたエネルギッシュなもので、その根底には大きな愛が感じられました。言葉にはこんなに可能性があるんだと感じさせてくれました。
今回の作品はそんな桑原さんの丸ごとそのまま、なにもかも剥き出しの言葉でした。正直、今までこんな言葉はあつかったことがなかったし、本番迎えるまでどんな上演になるのかよく分かりませんでした。
でもお客さんの前に立ち、詩の言葉を口にするうちに、詩の真ん中に引き寄せられていき、自然と魂が動きだしました。
桑原さんの言葉でもなく僕の身体でもなく、なにかにむかって。
これがなんなのか、なんと言ったらいいのかまだわかりませんが、僕にとっては新たな可能性が見えた気がしています。
これからまだ6ヶ月目、ひとり芝居が続いていきますが、ひとつひとつしっかり積み重ねていきたいと思います。
来月はゲーテ作「若きウェルテルの悩み」です。こちらもぜひご期待ください。
立本夏山
詩人の桑原滝弥を迎えて上演された立本夏山12カ月連続一人芝居6本目「ピキピキ夏山のドンバラ大放送♡」。おいちょっとまってすごいよこれ。唖然、だよ。唖然。わたしら、あまりに剥き出しの「人」がそこに「いる」と実感するとなにも言えなくなるけど、今夜それが起こりました。
反復されるハッピーバースデーを基調としつつ、女性恐怖症の男が中学時代に同級生とキスしたことを20歳で思い出して男がいるじゃんと気づき新宿三丁目でウリ専をやり、最終的にヤクザの組長に呼ばれてアナルを弄っていたら組長が失神して泡吹きながら「ピキピキ」と言ったことで自身の性を肯定した話
スリランカで地元のマフィアに囲まれ、絶体絶命のピンチに陥ったが技術立国・日本のイメージを使って腕時計と謎の言葉で熱っぽく会話しついには腕時計の向こうの男に謎の兵器を打ち込むように指示をして「伏せろー」と言ったらマフィア全員が大地にひれ伏したんで表現の力を実感したという話
こうした壮絶なエピソードが「私」という転換子の働きを用いて主体を巧みにシフトさせながら立本の身体に集約され、それがまた立本の身振りによって生気を付与される。様々な事象に入り込む言葉の純粋な運動が「私」の時間を生成していく。だから主体は立本でなく言葉の運動のうちでいちいち現象する!
詩の魂、と立本はトークで言ってたけど、それは「詩」という特殊な言語形式が持つ言葉の運動のうちに「私」を現象させ、重層させていくこの生成作用のことを言うのだ。そして相互に相容れない様々な「私」が身体という空虚な器に集積する、というかその器をぶち壊すように暴れ出す抗争状態が生じた時、
身体はどんな物語にも還元不能な実在性を帯びた「私」として観客の前に立ち現れる。それは彼/彼女ー実際その「私」は時に女性のような身振りを、時に動物のような身振りをするのだーに魂を通わせる親密さとその魂が誰であるのか全くわからない不気味さを同時に生起させる。吃驚としか言いようがない。
実際、人と関われば関わるほど、彼/彼女との間には複雑な時間の層が蓄積されていくのだよね。初めて出会った時の新鮮さ、互いの中に根付いたライバル意識、共に公園に散歩に出かけた時の清々しさ、泥沼化した憎しみ、悔恨とトラウマ、身を寄せ会う親密さ。関係はこれら全ての複雑な交渉関係のうちにある。
渋革まろん
*
さて
そんな夏山さんが演じる
「ピキピキ夏山のドンバラ大放送♡」
見逃したみなさん
興味あるでしょ?
観たいっしょ?
だいじょうぶ!
なんと今度の日曜の
オイラ&イシダユーリ主催の
詩のイベント「tamatogi」で
夏山さんがゲストとして
20分間の特別ショートverで
パフォーマンスしてくれます
そもそも上記の文章で
彼がカルチャーショックを受けたと書いてくれている
詩のオープンマイクのイベントって
このtamatogiのことですからね
このタイミングで
この作品を
このイベントでかけられるということに
なんとも言えない必然を感じていたりします
そして
今回のtamatogi
もう一人のゲストは
詩人・作詞家の
覚和歌子さん
詩の世界で
オイラが心から素直に先輩と呼べる
数少ない詩人のおひとりです
出会わせてもらってから
かれこれ15年になりますが
ずっと自分のイベントに
覚さんに出ていただきたいと考えつづけてきて
やっとそのタイミングが来たとおもえて
今回出演をお願いしました
世間一般的に有名な覚さんの作品と言えば
映画「千と千尋の神隠し」の
主題歌「いつも何度でも(曲・歌唱/木村弓さん)」の
作詞だと思うのですが
下記のプロフィールをご覧になっていただければわかるとおり
その活動は多岐に渡っています
そしてそのひとつひとつの作品がほんとうに素晴しいものです
また、元々自作詩朗読ライブの活動をされてきた方ですので
ステージに関してもとても魅せてくれるひとです
今年の5月に札幌で開催した「俊読2019」に
急遽サプライズ出演をしていただいたときも
休憩中に音響面で的確なアドバイスをしてくださって
そのことによってイベント後半がかなり締まって
かつ広がりのあるものになりました
こう書くとなんだか
すごく真面目な方のように感じられるかも知れませんが
ビックリするくらい気さくでお茶目なお姉さまです
あとは真面目というよりは
常に真剣なひとです
聞けば
詩のオープンマイクイベントに出演されるのは
初めてとのこと!
他のイベントでは見られない
覚和歌子さんが見られるかも知れません
どうぞお楽しみに☆
もちろん
tamatogiは
オープンマイクにエントリーしてくれるパフォーマーと
観覧してくれるお客さんひとりひとり
つまりは”あなた”が主役のお祭り
今年も
会場のシルクロードカフェさんのご厚意により
オープンマイクは人数無制限でまいります!!!
どうか
かまえずに
自由に
本気で
あそぼ~~~
*
『tamatogi 2019』
2019年9月22日(日)
開場/12:30 開演/13:00
ひとりで来て
ひとりで帰っても
ちゃんと何かと繋がるポエトリーイベント
人数無制限の詩のオープンマイクに
ゲスト・覚 和歌子、立本 夏山による
スペシャルパフォーマンス&トーク
桑原 滝弥とイシダユーリが愛を持って突き放す
自由な詩の遊び場”tamatogi”
今年も開幕です!!!
◇ゲスト
覚 和歌子(詩人・作詞家)
立本 夏山(俳優)
◇MC
桑原 滝弥
イシダユーリ
~内容~
13:00 (第一部)
詩のオープンマイク
ゲストパフォーマンス・立本 夏山
14:00 (第二部)
詩のオープンマイク(トークゲスト・立本 夏山)
ゲストパフォーマンス・覚 和歌子
15:00 (第三部)
詩のオープンマイク(トークゲスト・覚 和歌子)
16:00 (第四部)
詩のオープンマイク
tamatogiパフォーマンス・桑原 滝弥、イシダーユーリ
※各部の合間に休憩が入ります。
※終演はオープンマイク参加希望者が全員やり切るまでになります。
◎詩のオープンマイク参加者募集!
詩の朗読、及び、詩的パフォーマンスをされる方なら、誰でも参加可能。
制限時間一人(組)4分間。自作他作不問。
音源(CDソフト対応、USBは再生機器持参の事)使用可。
楽器(セッティングに長時間掛からないもの)使用化。
当日開場時12:30~エントリー受付。
※もちろん観覧のみのお客様も大歓迎です
◇料金
予約/2500円 当日/3000円
(税込み。飲食代別途必要)
※パフォーマーも観覧される方も均一料金です。
※当日は満席が予想されます 。早めのご予約・ご来場をお勧めします。
◇お問い合わせ
詩人類 (桑原)
TEL:090-8545-2708
takiyakuwahara@yahoo.co.jp
※ご予約希望の方は…
○氏名(フリガナ付き)
○観覧人数
…を添えて上記問い合わせ先へお申し込みください。
…お電話でももちろん受け付けております。
◇会場
「シルクロードカフェ」
〒130-0012
東京都墨田区太平3-2-8 1F
TEL:03-5809-7953
reserve@silkroad-cafe.com
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JR総武本線、JR総武快速線「錦糸町駅」北口より徒歩3分。
東京メトロ半蔵門線「錦糸町駅」3番出口より徒歩3分。
”tamatogi”とは…
桑原滝弥とイシダユーリの二人の詩人主宰による、参加者が詩だと感じる表現なら形式は問わない自由度の高いオープンマイクを中心としたポエトリーイベント。 2004年のスタートから足掛け15年、今回で通算48回目の開催となる。
主宰二人が醸し出すステージでの雰囲気が評判を呼び、これまでに有名無名を問わず、さまざまなジャンルや地域や意識を持つ人々が来場して、たくさんの交流が生まれている。
また、詩と縁のあるさまざまな分野で活躍中のゲストの登場や、個性的な会場での開催、偶然をアドリブで演出にしてしまう即興性などといった毎回異なる部分と、いつ来ても変わらない独特の世界観が味わえるところから、観覧のみを楽しむ観客が多いイベントであることでも知られている。
<これまでの主なゲスト出演者>谷川俊太郎、ジュテーム北村、ジョニー大蔵大臣+セクシーパスタ林三(水中、それは苦しい)、ぬくみりゑ、神田茜、坊城俊樹、三角みづ紀、大島健夫、河野宏子、三原千尋、寮美千子
スタッフ・かほり(東京鼠)
※本イベント、及び、関連情報は、下記ブログにて随時更新されます。
「桑原滝弥・情報ブログ」 http://
【ゲストプロフィール】
覚 和歌子(詩人・作詞家)
山梨県生まれ、千葉県育ち。早大一文卒。平原綾香、smap、新垣勉、夏川りみ、小泉今日子、沢田研二、クミコ、ムーンライダーズなどの作詞で、多くの作品をCD化。NHK全国学校音楽コンクール課題曲、校歌、合唱組曲等の作詞なども多く手がける。1992年より国内外各地で自作詩朗読ライブを展開し『朗読するための物語詩』の独自分野で評価を受ける。2001年『千と千尋の神隠し』主題歌『いつも何度でも(曲・歌唱/木村弓)』の作詞でレコード大賞金賞。 2008年3月、企画・補作・監修した「星つむぎの歌」(平原綾香・歌)が土井隆男宇宙飛行士のウェイクアップコールとして大気圏外で使用される。 同年5月公開の映画『ヤーチャイカ』では、原作・脚本・監督(共同監督・谷川俊太郎)をつとめる。 2009年舞台『届かなかったラブレター(主演/井上芳雄・クミコ / ルテアトル銀座)』の構成・演出を担当。
詩集『ゼロになるからだ』(徳間書店)、『海のような大人になる』(理論社)、『はじまりは ひとつのことば』(港の人)、『yes』(小学館)など、自唱ソロCDに『青空1号』(04年ソニー)、『カルミン』(09年valb)、『ベジタル』(14年valb)、『シードル』(16年モモランチ)、エッセイ、絵本など著作多数。2015年より谷川俊太郎と対詩の詩作過程を観客にライブで見せるイベント<ライブ対詩>を続けており、共著『2馬力』(ナナロク社)を刊行。「しずおか連詩」数回参加のほか、「くまもと連詩」「六本木連詩」「北京詩祭」「マルタ国際交流文化祭」など国内外で詩人としての活動も多い。 米国ミドルベリー大学特別講師。詩作を軸足にマルチな活動を展開中。
「風雲うたよみギムナジウム 覚 和歌子 公認公式ファンサイト」 http://
立本 夏山(俳優)
1982年6月7日 静岡県清水市出身。18歳にて文学座演劇研究所に入所。その後、劇団四季研究生、流山児☆事務所、俳優座演劇研究所を経て重力/Note、新宿梁山泊、燐光群、小池博史の作品などに出演。2011年よりひとり芝居を始め、F・ペソア、A・アルトー、ニジンスキー、太宰治などの作品を舞台化している。2014年Arts Chiyoda 3331 千代田芸術祭にて伊藤千枝賞受賞。2016年7月フランス、アヴィニヨン演劇祭にてアンジェリカ・リデル演出作品「¿QUÉ HARÉ YO CON ESTA ESPADA?」に出演。その後、スペイン、ドイツ、ブラジル、イスラエルなど世界各国を巡演。2018年には高村光太郎作「智恵子抄」のひとり芝居で東京、兵庫、松山、高知と国内ツアーを実施。言葉だけに留まらずダンス的な表現にも積極的に取り組み、常に新鮮なものを追求し続けている。
本年4月からは、毎月一本づつ12ヶ月連続で文学作品をひとり芝居として表現する「Twelve」を、東京・藝術喫茶茶会記にて上演中。
「立本 夏山・夏山オフィスHP」 https:/