2018年10月1日月曜日

傷の共鳴と、その先、

さて、10月となりました 

今月はいよいよ 
札幌で「俊読オープンマイク」を開催いたします 

札幌はもとより 
それ以外の土地の方からも 
たくさんのエントリーと観覧お申し込みをいただき 
ほんとうにありがとうございます! 

まだまだ 
ご予約承っておりますので 
悩んでいる方は 
必ずただごとではないイベントにいたしますので 
思い切って気楽にご参加くださいね 



共同主催の俊カフェ・古川さんと 
あれこれやり取りをしながら 
現在準備を進めておりますが 
エントリーされた方が 
どのようにパフォーマンスをするべきか 
たくさん思案をされていると伺っております 

そこで今日は 
過去の俊読で 
オイラが出演者の方へ送ったメッセージの抜粋を 
公開したいとおもいます 



これを読んで 
何かしら考える材料にしてもらえたら幸いですし 
俊読に限らず 
詩の朗読・パフォーマンスをされるひと 
また、それを観るのが好きなひとにも 
どこかしら相通じる部分があるかとおもいますので 
よかったらご一読くださいね 

あらためて「俊読オープンマイク」の概要と 
今後のオイラの一般公開されるイベントなどの予定も 
掲載しておきます 



わからないこと 
不安なこと 
こわいこと 
それでも何かを感じて 
生きていくこと 

そんな日々のなかで 
見知らぬあなたと 
共鳴できること 

そしてそこから 
はじまる世界があることを 


信じて 




* 



【過去の俊読で、主催・桑原滝弥が出演者へ送ったメーセージの抜粋】 


お客さんの熱気や感情の部分は、僕のMCや、俊太郎さんとのトークの部分でフォローするつもりです。 
ですので、パフォーマンスをする演者の皆さんには、作品の世界観を伝えることに集中してもらえたらとおもいます。 
やっぱり詩の朗読、というか、詩は、感情よりも深いところから紡ぐものだとおもうからです。 
過去の俊読で、お客さんの熱気に引っ張られて、表面上盛り上がっているように見えて、何も響いていないパフォーマンスをいくつか見てきました。 

また逆に、こちらのパフォーマンスに入り込んでくれたお客さんが、入り込みすぎて、まったく無反応になることがありますが、これもあまり気になさらないでよいかとおもいます。 
これは詩・パフォーマンスの余韻に浸っているだけなので、そのまま自由にほっといてあげましょう。 

いずれにせよ、盛り上がろうが、静かだろうか、その現象の本質がどこにあるのか、本番の一瞬々々で察知して、お客さんと息を混ぜ合わせていくのが、詩のライヴの醍醐味なのかなと僕はおもっています。 
絵になる前の絵や、音楽になる前の音楽、物語になる前の物語といった、表現の原初的な部分(はじめての発見)をしっかりと肚に持てていれば、何をしようがしまいが、詩のライヴは生まれます。 

そして、俊太郎さんの作品についてなのですが、僕なんかが言うのもなんですが、とてつもなく優れたテキストです。 
一見誰にでも書けそうな平易な言葉で、誰も味合わせてくれなかった沈黙を与えつづけてくれてきました。 
音の並びとしてもよくできていて、誰が声に出して詠んでもある程度キレイに響き、サマになるようにできています。 
実際詠んでいて気持ちいいですし、これがプライベートであれば何の問題もないことですが、舞台上から聴衆に聴かせることを考えると非常に危険なテキストと言えます。 

こちらを詠んだ気にさせて、ツルツルと上滑りが起きます。 
やっている演者も気づかないうちに、ただ、それっぽく詠まされて終わってしまいます。 
過去の俊読や、いろいろな詩の朗読会で、そんなテキストと声・肉体の無意識の乖離をいくつも見てきました。 

そのために、何かしらの演出を施すというのも、ひとつの手だとおもいます。 
速度や音程に緩急をつける、台詞調や機械調など声音に色を付ける、動きでアクセントを付ける、観客を巻き込む、テキストを編集し直す、自分のテキストと交ぜ合わせる、バックトラックを付ける、歌う、叫ぶ、囁く、やたら長い間(ま)を空ける… 
いろいろなことが考えられますし、僕もいろいろやってきました。 
そして、それは何かしらの効果を生み出すことができました。 

ただ、十年以上俊読をやってきて、もっとも大切だと信じられたことは、俊太郎さんの詩と、己の内面・意識の間で、どれだけ共鳴できる部分を見つけられるかということでした。 
ある種の個人的な傷の共鳴と言いましょうか、一番しんどいようなところや闇の部分から声が出て、俊太郎さんの言葉が乗せられれば、もうギミックはいりませんし、逆にどんな大胆な演出をしても成立します。 
これが、いまのところは、自分が俊読をやる上でのベストな取り組み方で、俊太郎さんが「詩人は死んでなきゃいけない」と仰ることへの、僕なりの答えです。 

もちろん、これらのことを一切無視してやっていただいてもかまいませんので、あしからず。 


桑原滝弥 




* 



【イベント概要】 



『俊読』オープンマイク 
~ 谷川俊太郎さんの詩を 
  声に出して読んでみよう!~ 



2018年 
10月20日(土)、21日(日)、22日(月) 
各日 13~17時開催 


☆『俊読』とは… 
”この国の子どもたちは皆、この男の詩を読んで大きくなった”というキャッチコピーとともに、 
日本でもっとも愛されている詩人”谷川俊太郎”の作品を、さまざま詩人/アーティストが独自の解釈と方法に則って大胆にも切り込むトリビュートLIVE 。 
最後には本人も登場する大人気ポエトリーイベントとして、2006年1月のスタートより、これまで通算10回(東京7回、名古屋1回、京都2回)開催されています。 
今回の『俊読』オープンマイクは、来年春に開催の、札幌での『俊読 2019』への出演者選考を兼ねたイベントとなります。 



◎『俊読』オープンマイク参加者大募集! 

谷川俊太郎さんの詩をはじめ、 
散文、エッセイ、絵本、歌詞など、 
とにかく俊太郎さんが書かれた作品を朗読、及び、 
パフォーマンスされる方なら、どなたでも参加可能です。 

作品をそのまま忠実に演るもヨシ。 
いくつかの作品を抜粋して組み合わせるもヨシ。 
勝手に曲をつけて歌ったり、踊りやパフォーマンスを創作してみるのもヨシ。 
ご自身のオリジナルの言葉や作品とリミックスするもヨシ。 
みんなで自由に俊太郎さんの言葉を声に出して、 
その響きを感じ合いましょう。 

参加された方のなかから、 
来年5/26(日)札幌市・Fiestaで開催される、 
谷川俊太郎さんご本人も出演予定の 
『俊読 2019』への出演者を選ばせていただきます。 

制限時間一人(組)5分間。 
音源(CDソフト対応、USBは再生機器持参の事)使用可。 
楽器(セッティングに長時間掛からないもの)使用化。 
下記お問い合わせ先よりエントリー受付。 
各日会場定員30名になり次第締め切り。 
※観覧のみのお客様ももちろん大歓迎です! 


◇お問い合わせ 

エントリー/観覧受付・俊カフェ 
TEL:011-211-0204(11時~20時/火曜休) 

内容に関するお問い合わせ・詩人類/桑原 
TEL:090-8545-2708 
takiyakuwahara@yahoo.co.jp 



◇出演 
桑原滝弥(詩人/『俊読』主催者) 
古川奈央(フリーライター/『俊カフェ』店主) 


◇料金 
2500円(1ドリンク付き) 
※パフォーマーも観覧される方も均一料金です。 


◇会場:俊カフェ 
(北海道札幌市中央区南3条西7-4-1 KAKU IMAGINATION 2F) 
TEL:011-211-0204 
https://www.facebook.com/shun.T.cafe/ 
https://twitter.com/hachamu 



『俊読 2019』Facebook専用ページ 
https://www.facebook.com/SHUNDOKU2019/?modal=admin_todo_tour 




* 



【その他の今後の予定】 


10/8(月祝)18:30~ 
ライヴ「リズム ~彦六・熱の記憶~」 
東京・彦六 
http://shijinrui.blogspot.com/2018/09/blog-post.html 

10/20(土)~22(月)各日13:00~ 
主催ライヴ「俊読オープンマイク」 
札幌・俊カフェ 
※上記概要を参照。 

10/29(月) 
ラジオ出演 
※詳細近日発表。 

11/5(月)~7(水) 
広島・フォーラム&ライヴ出演 
※詳細近日発表。 

11/23(金祝) 
滋賀・ライヴ出演 
※詳細近日発表。 

11/25(日) 
雑誌掲載 
※詳細近日発表。 

12/9(日)13:00~ 
主催ライヴ「tamatogi 2018」 
東京・シルクロードカフェ 
http://shijinrui.blogspot.com/2018/09/tamatogi-2018.html