今宵は
先月の東北ツアーについて
すこし書いてみたいとおもいます
秋の夜長のお供にでも
のんびりお読みいただけましたら幸いです~
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おぼえがき
詩人・桑原滝弥 × 講談師・神田京子
「夫婦幸福ライヴ2014秋 in とうほく」
◇9月16日(火)
初日は宮城・山元町で2ステージ
まず昼公演は、障碍者の方達が作品を作っている「工房"地球村"」
地元のコミュニティ放送"りんごラジオ"が生中継をしてくれて、東京では有り得ないその突撃っぷりにいろんな意味でテンションが上がりましたっ
施設の方だけではなく、近隣にお住まいの皆さんも集まってくれて、なんだかお祭りムードの中でノリノリのライヴとなりました
最後に会場からのリクエストで、観覧に来てくださっていた藤沢幹久さんの作られた楽曲で、第39回わたぼうし音楽祭・東北で唯一の入選作「1%の希望」を朗読
初見だったけど、藤沢さんの言葉の力に引き込まれ、あっという間に真っ直ぐな波動が生まれました
「不安99で 1%の希望
消えかかるその画像(イメージ)
離さず掴んでいたい」
夜公演は、おじゃまするのも三度目となる「ナガワ仙台工場内応急仮設住宅」
尚、この日の2ステージは幻燈ダンス"holon"が特別出演!
holonは名古屋でそれぞれ"KD japon"と"モノコト"というアートスペースを運営している森田兄弟によるユニット
弟・こころくんが、昔視聴覚室とかにあったOHPというアナログ投映機で幕にさまざまな絵を写し、そこに兄・太朗ちゃんが影絵となってダンスをする・・・
もうかれこれ十年以上の付き合いで何度か共演してきましたが、東北では初
今回は山元町に伝わる民話「山室明神と蛇塚の松」を、京子が講談、holonが幻燈ダンス、オイラが詩で、再現しつつ絡み合っていくというシュールな内容
果たして観客のほとんどがご年配の方というナガワの舞台で、一体どんな空気感になるのか若干不安だったのですが、演目が始まるや、まあ皆さん、よくしゃべるしゃべる!
「あれはなんだべな?」「きれいだ~」「あれ蛇か?」
これでもかというくらい自由に楽しんでくれて、終いには、
「よくわかんなかったけど、蛇塚の松に行きたくなったなあ」
だって∞
◇9月17(水)
二日目は福島の「伊達東仮設住宅」
今年5月に出演した世田谷・生活工房でのイベントで出会った飯舘村の皆さんが暮らされている仮設住宅へおじゃましました
とにかくお客さん一人一人の笑いと歓声がエネルギッシュで、まるで映画「ニューシネマパラダイス」の劇中の観客のようでした
その純な声を聴いていたら、こんなに喜びが爆発するってことは、日常はどれだけ感情を押さえて過ごしているのだろうと、それぞれが生きてきたこの三年半の重みを感じて一瞬グッと来ちゃいましたが、そんなお涙頂戴の安っぽいライヴにしてたまるかいと即座に立て直し、いつも以上の熱~いアクトをブチかまさせていただきました!!
また、かならず、帰って来ますからね~
◇9月18(木)
三日目は福島・いわきへ
午前中の公演となったのは、二年前の"タイムカプセル"2012"以来何度もおじゃましている双葉町の皆さんが暮らされている「南台応急仮設住宅"ひだまり"」
もはや親戚の家にでもあそびにきたかのように錯覚してしまう、そんなあったかさで今回も出迎えていただきました♪
二年半、我々夫婦を見守ってくださっている皆さんに、京子の真打昇進を直にご報告することができて本当にありがたくて幸せでした
これからもまだまだ成長していく姿をお届けしますので、引き続き、このうるさいお騒がせ夫婦(笑)とお付き合いください!
午後からは、12月に"いわき芸術文化交流館アリオス"で開催される、地元のコミュニティ放送である"FMいわき"主催「神田京子・真打昇進披露いわき公演」のキャンペーン開始っ
市内にある「赤井中学校」で京子が単独で講演したあと(挨拶がちゃんとしている生徒さんと愛のある先生・ご父兄に感動!)、夜までさまざまな所へご挨拶周りをさせていただきました
挨拶周りの模様は地元の各媒体に取り上げられたのでご覧になった方もいらっしゃるかも知れませんが、オイラも司会を担当するこの記念公演、近々こちらのブログでも詳細をご報告いたしますが、とにかく盛りだくさんの内容で大変オススメでございます!!!
帰りにFMいわきの渡辺社長が、震災発生時の局内の状況をいろいろとお話ししてくださいました
自らも被災しながらも家に帰らずにマイクの前で毎日しゃべりつづけたDJさんは、最後には咽喉から血の味がしたそうです
それでも、真っ暗闇の中でラジオだけが唯一の情報源の市民に語りつづけることをやめなかったとのこと
他にもたくさんの貴重なお話を伺いました
この先も人前に出て何かを表現していく人間として、とても感じ入るものがありましたし、そういったさまざまなことを踏まえた上で、この街で最高におもしろい血の通ったショウをお見舞いするぜ、と決意を新たにしたのでありました
◇9月19日(金)
この日は朝からキャンペーン第二弾ということでFMいわきの番組に出演
収録の「越えてゆこう」と生放送の「グッディランチ」
どちらも人気番組だということがよくわかる丁寧な作りと自由な表現の許容が絶妙なバランスの内容でした
出演後、12月公演のCM録りと動画撮影
FMいわきのスタッフさんはあそび心豊富な人が多くて、おかげでなんだかとっても微笑ましい映像に仕上がりました
その一部を公開よかったら観ておくれ
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夜は「中之作清航館」へ~
建築という観点から地域の風景の保存に関する事業を行い、歴史と文化の伝承に寄与することを目的に立ち上げられた"中之作プロジェクト"
そのまちづくりのシンボル的な場所である、港町の築200年の古民家でのライヴ
日本の古い木造のお屋敷は、とても気持ちの良い声の響き方をするので、場の力をいただきながら、いつもとすこし趣きの異なる詩と講談をお届けできた気がします
こういった素敵なモノと人とを大切にするプロジェクトが、今後さらに実を結んで行くことを願っております
◇9月21日(日)
丸一日北上して辿り着いたのは、ツアー最終地となる岩手・山田町
前回2月の東北ツアーのときに、自分が心の兄貴と慕う"復興食堂やまだ駅"の齋藤秀喜さんに紹介してもらった、"織笠小学校校庭仮設住宅"の皆さんが月に一度開催しているカラオケ大会へゲスト出演
会場の「山田町体育館」には、参加の方々の手作りの山田町に因んださまざまな舞台セットが!
しかもそのひとつひとつがどれも面白くてめちゃくちゃクオリティーが高い!!
この時点でただの街のカラオケ大会ではない予感がプンプン~
案の定始まると出てくる人どなたもとても芸達者っ
しかも3,4曲進むとカラオケとは別に、舞踊、体操、漫談・・いろいろな楽しいコーナーが展開
構成力抜群で、祭の空気を作っていこうとする姿勢がハンパない
普段ライヴの企画をしている者として大変感銘を受けました
だって次の出し物の転換のときに、平均年齢80歳以上のスタッフの人たちが全力で走ってるんだよ!!!
現場は動かず全体を見ることも必要だけど、いざとなったら速攻ダッシュをかませなきゃ祭は死んでしまう
そんなことを改めて教えていただきました
大先輩たち、ありがとうございます
この感謝の念は、皆さんが発狂するくらい楽しいステージでお返しするしかないと気合い満々で夫婦で臨みました
結果みんなといっしょに大盛り上がりの千秋楽となりました♡
以上、お伝えしたいことはまだまだ山のようにありますが、東北秋ツアーのふりかえり日記でした
今回のツアーも、キャンペーンを除いて、東北以外のライヴ会場の皆様から託してもらった活動支援金(72,757円)を役立てさせていただきました!
また各地で宿提供やさまざまな手助けをしてくださった皆様
その他なにかしら今回のツアーに関わってくれた皆様
被災地の方々とたくさんの素敵な瞬間を分かち合うきっかけを生み出してくれたすべての皆様に、全身全霊で感謝を申し上げます
この旅はこれからもつづきます
なぜなら復興にはほど遠い状態の街がほとんどで、新たな問題も出てきていますし、何よりそこにはもう、自分たちに取ってかけがえのない大好きな"あなた"がたくさんいるからです
またステージからも、いろいろと生でお伝えしますね
帰り際にある人がポツリと言ってくれた言葉が、いまでも己の核となる部分に響きつづけています
「震災がなかったら、出会えなかったんだね」
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【今後の予定】
10/11(土)19:00~
ライヴ「詩人は公○の輪郭にたちあがる」
会場・京都 公○食堂
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10/12(日)13:00~
ライヴ「ブラックサンデー」
会場・大阪 さばのゆ温泉
http://
10/13(月)19:30~
ライヴ「祭の起」
会場・神戸 BIG APPLE
http://
11/11(火)19:30~
主催イベント「"tamatogi"スペシャル」
会場・東京 山羊に、聞く?
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12/7(日)14:00~/18:00~
記念公演「神田京子・真打昇進披露」
会場・福島 いわきアリオス
http://