2024年8月2日金曜日

ほっかいどう日記 '24夏

先日は
札幌、釧路でのステージへ
たくさんのご来場をありがとうございました

ステージ以外にも
夏休み中の息子を連れての
家族旅行の側面もありましたので
ほんとうに濃ゆい
6泊7日の旅となりました

今日はそんな旅の日々を
ちょっぴり振り返ってみたいと思います




◇7/25(木)

前日に新山口駅で貨物列車が脱線
その影響で山口線は全線運休
というわけで、母の運転する車で
神田京子、息子・あっくんとともに新山口駅へ
6月に山口へ移住してきた
母の運転からの旅のはじまりは
なんとも言えない感慨深さがありました

新幹線、飛行機を乗り継いで
この日は千歳のYさんご夫妻のお宅に宿泊
あっくんは愛犬の芝犬・ゆらちゃんとすぐにうちとけて
二人(or二匹)はとっても楽しそう
カツゲン、とうもろこし、かま栄のはんぺん、
札幌classicビール、夕張メロンなど
土地のものをたくさんご馳走していただきました
夜寝ようと思ったら、肌寒く
北海道に来たことをあらためて実感




◇7/26(金)

この日はあっくん中心のスケジュール
午前中は「ノーザンホースパーク」へ
ここは引退した競走馬やポニーのいる体験型公園
あっくんも人生初の乗馬体験をしたり
いろんな形の自転車を借りて
広大な土地を駆け抜けておりました

午後は「むらかみ牧場」であれこれ体験
牛さんの乳搾りにバター作りなど
どれもオイラより上手なあっくん
一瞬父の威厳が…などと考えましたが
美味しいソフトクリームを食べているうちに
そんなことはすっかり忘れてしまいました

夜は「松尾ジンギスカン千歳店」へ
とにかくラム肉のフレッシュさが抜群
これまで本場モンゴルへ行ったこともありましたが
人生で一等うまいジンギスカンでした

ちなみにこの日もYさん宅に泊めてもらったのですが
就寝前に奥様で小学校の図書館司書であるFさんと
詩や児童文学、子どもの読書体験についてなど
いろんな話をしました
とても発見があり、これからへの発想が広がる
豊かなひとときでした
あっくんにプレゼントしていただいた
あべ弘士さんの「エゾオオカミ物語」は宝です




◇7/27(土)

この日は夜に小樽で公演のある神田京子と別れて
あっくんと札幌へ
最寄り駅に着いて、詩人の故永しほる君と嬉しい再会
故永君とは彼が
大江那果名義で活動していた大学生の頃からの付き合いで
これまでステージでの共演などで交流を重ねてきました
そして札幌へ来るとかなりの頻度で
彼のお宅に宿泊させてもらってきたのでした

夕方山口からスタッフとして助けに来てくれた
北海道初上陸の雑草人・Kentaさんも合流してヤロー四人で
彫刻家イサム・ノグチさんの設計された
モエレ沼公園へ
ガラスのピラミッドや、モエレ山を堪能
山の頂上から札幌の街を眺めながら
明日のステージへよき気を巡らせることができました

帰りには雨が降り出して
ちょっと寒いくらいになってきて入った
「吉山商店」のみそらーめんには
この街に乱暴に抱きしめられたみたいで
これまたガツンとやられました




◇7/28(日)

お昼に十勝清水へ打ち合わせに行く神田京子に
あっくんを託して
オイラは故永君宅でライヴの準備
原稿をチェックし、ストレッチをし、
呼吸をつくっていくいつものルーティンですが
自分以外の詩人の部屋でそれをやることで
とてもよい気が生まれてくる感覚がありました
それはきっと彼がいつもこの空間で
独りで詩と闘っているからなのだとおもいました

狸小路を歩きながら
途中で三角みづ紀さんとオイラがこよなく愛する
「新倉屋」でパフェをパクつき
北の我が家である「俊カフェ」へ
谷川俊太郎さん公認の私設図書館のようなカフェ
ここに帰って来るといつもとても照れくさくて
店主の古川奈央さんの顔を見ると
よくわからん力が漲ってくるのです

イベントは俊カフェで5年近くの歴史を紡いできた
人気の「ぽえとる?」へのゲスト出演
オイラが7月に北海道へ行くことになった時に
主宰の漫画家であり朗読家でもある町田すみさんに
相談をして無理を聞いてもらい
この夜の特別編となる「ぽえとる?S」開催となりました

さて本番
まずは前半戦の詩のオープンマイク
みんなちゃんと緊張していて
鮮度の高いパフォーマンスが放たれておりました
これはやはり町田さんが
これまで見えない部分で
いろいろな仕掛けをされてきたからこそ
呼び起こされた詩の声なのだと感じました

後半はオイラのライヴと
町田さん、古川さんを交えてのトーク
前回俊カフェに来た
'22年8月以降に書いた詩で構成したパフォーマンスは
受けとめてくれるお客さんの感度がとてもよいので
この日にしかできないライヴができました
トークはいっぱい喋ったけどあんまり覚えてません
ただ、あの瞬間のトーンはずっと、
忘れないとおもいます

いろんな詩が飛び交った夜でしたが
それぞれの詩表現における甘さや弱さが垣間見えて
それが悪いことではなくて
だからこそこの人もあの人も
詩をつづけていくのだろうなと想像できて
嬉しくなりました

よい詩のイベントの本当の価値というものは
”ああ、楽しかった”で終わることなく
その後の独りの時間へどれだけ尾を引き
まったく詩と遠いところで
詩に出会わせてくれるか

こう書くとなんだかしんどい気もしますが
オイラもあなたも
詩なんていう
もっとも難しくて簡単で
意味不明なジャンルを選んだor選ばれたのですから
(この場合の詩人は、詩を書く人だけじゃなく、
 ただ、詩を感じる人もふくみます)

おたがいこれからも
欲張りに何もかも
手放していきましょう




◇7/29(月)

翌朝故永君と固い握手を交わして
Kentaさんとオイラは
札幌駅からレンタカーで道東道へ
途中十勝清水で神田京子とあっくんをピックアップして
この日のイベント「詩と講談の日々のまつり」の会場となる
釧路は桂恋・潮音寺に到着

盟友である絶叫僧侶詩人・たそがれ龍生との久々の共演
二人でトークを交えながら
おたがい2パートづつ詩をかましました
まだ知らない暗黒と光の度合いを探すようにして
新旧の作品を織り交ぜながらパフォーマンスしましたが
そんな冒険ができたのも
愛すべき詩人が傍にいてくれたからなのでしょう

後半は神田京子
講談のいろいろなネタを抜粋したお得メニューに
今年芸歴25周年となる彼女が心血を注いで取り組んでいる
オリジナル「渋沢栄一伝」
育児や家事を分担しながら生活している日々のため
最近は中々おたがいの演目を見ることがないのですが
ずいぶん彼女の心身に渋沢さんが馴染んできた
(或いは、渋沢さんに京子が)
そんな自然と不自然が
絶妙に重ねり合う高座となっておりました

そしてこの夜の大トリは
我が息子・あっくん7歳のステージデビュー!!!
生後4ヶ月から舞台で挨拶等は行なってきましたが
完全な独りでのパフォーマンスは人生初
レオ・レオニさん作
谷川俊太郎さん訳の
「スイミー」を朗読

これが親バカかも知れませんが
本当に見事でした
毎日々々練習してきたおかげか
「一声目から鳥肌が立ちました」
と言ってくれたお客さんがいたほど
美しい集中力でした

ああ、おまえはもう、
どんどんひとりで歩いていくんだね
生まれていくんだね
そして死んでいくんだね
お父さんははじめてステージで
「負けた」
とおもったよ
おめでとう


終演後はみんなで
創作和洋食「ROJI」と
BAR「Aramis」へ
ディープで鋭く優しい釧路の人が集まる場所で
夜が更けるまで打ち上げました




◇7/30(火)

朝、釧路川のほとりで
かもめの鳴き声を聴きながら
葉書を書いたりしてから
龍生君のアテンドでみんなと
詩とパンと珈琲のお店
「Mon Coeur (モン クール)」へ
店主の高橋宏文さんは昨夜の公演も
それ以前のステージも見ていただいている
詩をこよなく愛する
最高のパン職人
定休日の仕込み中にわざわざ店を開けてくださって
出迎えていただきました
中々ゆっくりお話しする機会がこれまでなかったので
とても幸せでした

お昼はこれまた釧路の名店「泉屋」へ
スパゲティの上に
トンカツとたっぷりのミートソースがかかった
「スパカツ」なるものが名物なのですが
久方ぶりに食べられて前夜の疲れも吹っ飛びました

午後は釧路湿原へ
とにかく広くて
懐が深くて
その眺めは圧巻
これ以上のことは…
詩にしますので
待っててください

ちょっぴり個人行動の時間を挟んで
夜はまたみんなで夕食へ出かけました
途中あっくんが飽きてきたので
二人で店を抜け出して散歩へ出かけることに
釧路川のほとりをとぼとぼ歩いていたら
キタキツネと遭遇
5分間ほど一定の距離を保ちながら
散歩する形になりました
あっくんはもう大喜び
最後にキツネさんが振り返ってから
走り去っていったのですが
その目は「また来いよ」と言ってくれているようで
もちろん気のせいなんですが
そう信じることにして

また帰って来ます




◇7/31(水)

釧路からレンタカーで新千歳空港へ
車中でみんなで即興のおならうたを歌ったりして
あっという間のドライブでした
そのように感じさせてくれたのは
道内すべてでの運転を担ってくれたKentaさんのおかげ
「ぽえとる?」オープンマイクの彼のパフォーマンスは
アッパレな雑草魂に満ちた
長州の誇りでした

福岡空港から
関門海峡を通って夕陽に染まり
暗くなる頃に山口に着いて
「うどんのどんどん」を食べて
胃袋があたたか~くなってきて
この旅はおしまい

うっかり出たあっくんのゲップは
新たな旅のはじまりの合図


こんな詩人と
この旅で関わり合いになってくれた
すべての命に感謝します
ありがとう




以上、
「ほっかいどう日記 '24夏」でした

京子さんもオイラも
ここにはまだ書けない
いろんな今後の活動に関する打ち合わせも
この旅ではたくさんしましたので

また追々それぞれのブログで発表してまいります
そちらもお楽しみに~~~








(今後の予定) 

8/24(土)16:00~
講座「詩の扉を開く」
山口・山口 カルチャーどうもん
https://c-doumon.com/%E8%A9%A9%E3%81%AE%E6%89%89%E3%82%92%E9%96%8B%E3%81%8F/

8/30(金)12:00~
店番「HONYAらDO」
山口・山口 どうもんフィットネス1F
https://shijinrui.blogspot.com/2023/12/honyado.html

9/15(日)開催 
イベント 開館100周年スペシャル企画 
山口・山陽小野田市立中央図書館 
※詳細近日発表

9/28(土)16:00~ 
講座「詩の扉を開く」 
山口・山口 カルチャーどうもん 
https://c-doumon.com/%E8%A9%A9%E3%81%AE%E6%89%89%E3%82%92%E9%96%8B%E3%81%8F/

10/6(日)締切
コンクール「第9回ぼうしの詩人賞」
主催・中原中也記念館
https://chuyakan.jp/wp/wp-content/uploads/2024/06/879fa0b37fb6ce305dbf608d196e624b.pdf

10/13(日)17:00~ 
イベント「山城屋オープンマイク」 
山口・山口 山城屋酒造倉庫 
https://shijinrui.blogspot.com/2024/03/2024.html


◇公開中 
動画 
「ひきこもりと表現」
https://youtu.be/l_uITnMabDY

◇発売中 
自伝詩集 
「詩人失格」 
https://www.amazon.co.jp/dp/4909798161


◇Blog 
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