2022年2月21日月曜日

最善手の集い

先日は 
「蓬莱座オープンマイク20」へ 
たくさんのご来場をいただきまして 
誠にありがとうございました 

例によって 
当日の模様を 
ちょっぴり振り返ってみたいと思います~ 



まず前半のワークショップは 
インタビューに挑戦 

表現活動をずっと続けていると 
いろんな取材を受けることがあります 

また企画に携わるようになってくると 
いろんな人や場所と出会って 
逆に取材をさせてもらう側になったりもします 

自分自身の実体験でも 
作品やパフォーマンスではなく 
インタビューから興味を持って 
ファンになってくれた人がたくさんいます 

つまり何かを発信する人間にとって 
大変重要な機会となるわけです 

そんなことを念頭に置きつつ 
順番にインタビューされる人として登場してもらい 
他のみんながインタビュアーになって 
記者会見のような形で進めていきました 

リラックスした空気感もあってか 
それぞれの表現や人としてのアクセントのような部分を 
ちゃんと丁寧に伝えられていて感心しました 

答える力、聴く力、共有する力… 
そんな力を養いあえた気がします 

インタビューとは言え 
結局は一期一会の会話の醍醐味を 
どれだけ味わえるかってことなんだと 
あらためて実感もしました 

蓬莱座オープンマイクは 
取材をしてもらうことが多いイベントですし 
ここから別の世界へも 
繋がっていく可能性が高い場だと思いますので 
このワークショップで得た感覚を 
実際のインタビューや対話の場面で 
活かしていってもらえたらと願っています 



休憩挟んでの 
オープンマイクタイムには 
以下の10名の方がエントリーしてくれました 

渡辺一成 
麻生有里 
劉清 
Yuki 
あきこ 
フランシスコ藤井 
Kenta 
ありさ 
MOON 
あやの 
※敬称略/ 
 20回目を記念して小屋主チェンスウリー氏が出演順を決定 

渡辺一成さんは 
真島昌利さんの「かしこい僕達」を弾き語り 
ナベさんの声にすごく合っていて 
マーシーの歌詞がぐいぐい刺さってきました 

麻生有里さんは 
オリジナルの詩「馥郁」を朗読 
それまでワイワイしていた蓬莱座が 
一気に詩のトーンになりました 

劉清さんは 
中国の童謡「春はどこですか」をアカペラで 
日本の歌とはまた異なる 
独特の抑揚に心が温まりました 

Yukiさんは 
前回につづいて筋肉談義 
女性が多めのこの日の客席を意識してか 
健康にやさしい知識を披露してくれました 

あきこさんは 
オリジナル詩「まっすぐ」を朗読 
どうやらオイラが以前 
「毎日詩を書いた方がいい」と勝手なアドバイスしたらしく 
それを受けて生まれた詩とのこと 
”まっすぐ”の概念を鮮やかに覆すような 
詩的飛躍にあふれた作品でした 

フランシスコ藤井さんは 
知人の書かれた歌詞に曲を付けた 
オリジナル作「ほの灯り その下で」を弾き語り 
物悲しさとチャーミングさが同居したような 
手作りの旋律に自然と身体が揺れました 

Kentaさんは 
農業に関わる女性を描いた 
瀧羽麻子さんの短編小説集「女神のサラダ」より 
「夜明けのレタス」冒頭部分を朗読 
押さえたトーンで作品世界を伝える声の力から 
実際の本をすごく読んでみたくなりました 

ありささんは 
ヴィスワヴァ・シンボルスカさんの詩「終わりと始まり」を朗読 
今という時代や季節にまた新たな響きが生まれてくる 
そんな詩の妙味を届けてくれました 

MOONさんは 
初参加の大学二年生のシンガーソングライター 
オリジナル作「笑顔」を弾き語り 
なんとこの日が人前で初めて歌うステージデビュー 
集まったみんな全員が祈るような空気感からの歌い出しでしたが 
なかなかどうして曲がはじまると 
一気に会場の空気を己のうたごころに染め抜いていきました 
最高のデビューに万雷の拍手が鳴り響きました 

あやのさんは 
蓬莱座小家主のチェン・スウリーさんの詩「秘密」を朗読 
20回目のこのイベントで 
20才のときにチェンさんが書いた詩が 
巡り巡ってこの日出会ったそれぞれの心に 
素敵な秘密としてまた生まれました 
そんなことを感じさせてくれる詩の声でした 

最後はオイラが 
詩人・宗左近さんが編んだアンソロジー 
「あなたにあいたくて生まれてきた詩」より 
作者不明の「丁度よい」を朗読して 

寒い寒い 
でもとってもあったかい 
血の通った日々の宴は幕 



最近 
敬愛する農家の方から 
将棋用語の”最善手”という言葉を教えてもらいました 

その局面において 
最も良い手 
勝つ為に最善の手 
とのことですが 

農家の方は 
そこに独自の解釈を加えて伝えてくれました 

「傍らから見たらなんとでも言えるけど 
 その人間にとって 
 その時々の決断は 
 そいつだけの最善手なんじゃないのか」と 

表現をしていると 
あの瞬間は正しかったのだろうか 
あれでよかったんだろうかと 
思い悩むことがありますが 

結局その判断も含め 
表出したものが”いまの自分”の実力であり 
祈りなのだと 
その言葉を聴いて 
スッと身体の深いところに入ってきました 

振り返れば 
そんなおもいおもいの最善手たちが 
交叉した 
「蓬莱座オープンマイク20」だった気がします 

また来月も 
おたがいの最も善き手を 
差し出しあえたら幸いです 



ちなみに 
蓬莱座オープンマイクを大特集してくれた 
文芸情報誌「文芸ごきんじょ山口版」最新号が購入できる 
ネットショップがオープンしました! 

文芸ネットショップ 
「SIN.YAMAGUCHIBUNGEI」 
https://bungei.buyshop.jp 

興味のある人は 
ぜひぜひ手に取ってみてくださいね~ 




* 



(桑原滝弥・今後の予定) 

2/26(土)16:00~ 
講座「詩の扉を開く」 
山口・カルチャーどうもん 
https://c-doumon.com/%E8%A9%A9%E3%81%AE%E6%89%89%E3%82%92%E9%96%8B%E3%81%8F/ 

3/12(土)16:00~ 
講座「詩の扉を開く」 
山口・カルチャーどうもん 
https://c-doumon.com/%E8%A9%A9%E3%81%AE%E6%89%89%E3%82%92%E9%96%8B%E3%81%8F/ 

3/19(土)17:00~ 
イベント「蓬莱座オープンマイク21」 
山口・旧蓬莱閣 
http://shijinrui.blogspot.com/2022/01/2022.html 

3/25(金)発売 
雑誌「シェルスクリプトマガジンVol.77」 
発行・USP研究所 
https://www.usp-lab.com/pub.magazine.html 

3/26(土)16:00~ 
講座「詩の扉を開く」 
山口・カルチャーどうもん 
https://c-doumon.com/%E8%A9%A9%E3%81%AE%E6%89%89%E3%82%92%E9%96%8B%E3%81%8F/ 


◇公開中 
動画 
「プロレスの話」 
https://youtu.be/Nn-Rl77JB4M 

◇発売中 
電子詩画集 
「国際化と標準化」 
USP研究所 / Kindle版 
https://www.amazon.co.jp/dp/B08GKLMPLT/ 



【執筆・公演・その他、詩に関する依頼先】 
TEL:090-8545-2708 
takiyakuwahara@yahoo.co.jp 
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