第一詩集「花火焼」より
*
「cheap drink」
コーヒーフロートははじめての女
できれば最初で最後にしたい
彼女は体に噛みついてくる
おれはポピュラーミュージックを聴いてやりすごす
あんまりシーツが血で汚れるので
十回寝たら一回
別の女と寝る
メロンソーダは舌使いが絶妙だった
バニラシェイクはどんな命令にも服従した
が
コーヒーフロート
彼女は噛みつくことしか能のない女だった
おれはポピュラーミュージック博士になって
ERに担ぎ込まれて
三週間入院して
今日退院した
おもいだせないんだ
彼女の顔が
噛みつくことしか能のない彼女の
返り血を浴びてうつくしい
顔
おもいだせないんだ
コーヒーフロートはそれっきりの女
どうでもいいことだけど愛があった
おれに女の子供がいたら別の名前を付けよう
極上の
*
花火焼はまもなく
やっつめの海に
船出します